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読む前に
この記事では、ミャンマーを旅したときに、立ち寄ったピンウーリンにある日本人が経営するカフェに行ったときのことについて日記である。
「ミャンマーのコーヒー産地までどうやって行くの?」
「日本人が経営するカフェってどんなとこ?」
といったことについて知りたい方に読んでほしい。
日本人が経営するひろみカフェ
ミャンマーに行ったら、コーヒーの農園に行きたいと考えていた。
ミャンマーと聞くとコーヒーというイメージはないかもしれないが、
実は気候的にもコーヒー生産に適していて、
コーヒー豆の美味しさはインドネシアやベトナム、タイといった東南アジアの他の生産地に引けを取らない。
というわけで、旅に出る前にどこにコーヒーの生産地があるのかネットで調べていた。
ミャンマーのコーヒー生産地はシャン州ユワンガン、マンダレー州ピンウーリンが2大産地となっているようだった。
どちらも高原地帯で昼と夜の寒暖差がありコーヒー生産には適しているようだ。
自分のタイトな旅程と睨めっこをしながら、マンダレー州ピンウーリンならば行くことができるかもしれないと旅に出る前は考えていた。
ピンウーリンのコーヒー農園をネットで探していると、ひろみカフェというカフェが出てきた。
日本の名前から日本人が経営しているのか調べていくと、
「こんなところに日本人が」でも取り上げられたことがあるカフェのようで、
片桐さんという方が経営されているようだった。
コーヒー農園もいくつか見つけたのだが、コンタクトが取れず、山奥にあるものもあったので現地に行ってみて、行けそうならば行ってみようと考えていた。
そこでまずはひろみカフェに行って、コーヒー農園について聞いてみようと思っていた。
時期的にも、コーヒー豆の収穫をやっているか終わっているかと言った時期だったこともあり、不確定要素を多く抱えながらピンウーリンに向かうことにした。
ひろみカフェは日本人の片桐さんがはじめたカフェで、ペンションも併設されている。
ピンウーリンに行くまで 《バガン→マンダレー》
朝、5時。まだ外は暗い。
窓から外を眺めると、ホテルの脇を通るバイクのライトが光る程度でミャンマーの僻地まで来たのだなと感じた。
僕はサンライズを見るために、部屋のドアを開けた。
ここ、バガンのサンライズは有名だ。
特に乾季の時期は、太陽が多数の気球とボゴタを照らし、それを高台からみる景色はとても荘厳だ。
日が昇り、時刻は9時。
あらかじめバガンからマンダレー行きのバスの時間を調べていたのだが、
予約はできず当日バスステーションに行ってみることにした。
トゥクトゥクに乗り、バスステーションに向かうように運転手に伝えた。
トゥクトゥクが走り出すと、どこ行きのバスに乗るのかと聞かれ、
「マンダレーに行きたい。」
と伝えた。
「それなら近くのバスターミナルから出ている。」
と運転手から言われ、そこまで送ってもらうことになった。
バス会社によって出発時刻が異なるため、1番早いバス会社の受付に行き、料金を払った。
すぐに出発となり、10人程度のミニバスに乗り込んだ。
すでに多くの人が乗っていた。
このままマンダレーに行くのかと考えた時は、「五時間は耐えられるのか」と覚悟を決めていた。
しかし、窓から行き先を見つめていると、前日夜に利用したバスステーションに向かっていることがわかった。
どうやら大きなバスでマンダレーに行くようだった。
とは言っても、多少大きくなったのみで冷房もそこまで効いていなかった。
欧米人には小さいだろうと思った。
タクシーかトゥクトゥクか《マンダレー→ピンウーリン》
時刻は13時過ぎ。
予想していたよりも早くマンダレーに到着した。
ここから、ピンウーリン行きのタクシーを探す。
今日中に行って帰ってくることができるバスは運行しておらず、
自分で車をチャーターするしかなかった。
バスステーション内をうろうろしていると、タクシー運転手が声をかけてくる。
時間もなかったので、その中の1人に「ピンウーリンに行きたい」と告げると、
「片道では無理だ」と言われた。
運転手の中には、相場だと比べ、バカ高い値段を言ってくる人もいた。
値下げすることは織り込み済みの価格設定。
見知らぬ地に来た時は、タクシーの相場を調べておくのが騙されずにすむためには必須だ。
数人の運転手と話をする中で、「トゥクトゥクでならその値段でいいぞ」というものが現れた。
時間もなかったので、トゥクトゥクでいくことにした。
内心、タクシーより時間がかかってしまうことを心配していたが、
選んでいる時間ももったいないくらい時間的余裕がなかったので即決した。
トゥクトゥクの運転手曰く、1時間半くらいで着くようだった。
1時間半もトゥクトゥクに乗ったことがなかったので少し心配していたが、
トゥクトゥクでの移動は思いの外快適だった。
エアコンなど無くてもいいくらい気持ちのいい風を全身で受け、
ピンウーリンがある高原地帯へ山を登っていく。
ピンウーリンに着くと、マンダレーやバガンと違い、ねっとり体にまとわりつくような暑さではなく、
風が吹きとても気持ちが気候だった。
この過ごしやすい気候がバガンからの長旅で疲れた体を癒してくれた。
トゥクトゥクの運転手は少し入り組んだ地にある目的地のカフェまで僕を送り届けてくれた。
片桐さんに会う。
カフェに入り、アイスコーヒーを注文した。
ちょうど日本人らしきおじいさんが後ろのドアから入ってきた。
片桐さんだった。
ちょうど出かける直前だったようだ。
アイスコーヒーを飲みながら、コーヒーの話ができた。
お土産にと出版した本や手作りだという梅の甘露煮をもらった。
このカフェで採れた梅だそうだ。
お店にはテラス席が多くあり、地元の若者たちも友達や恋人とコーヒーを飲みながらおしゃべりを楽しんでいた。
片桐さんも言っていたのだが、基本的にミャンマーのコーヒードリンクは甘い。
東南アジア全体的に言えることなのだが、日本で主流となっているドリップコーヒーとは違う。
しかし、ここひろみカフェにはドリップで入れたコーヒーも出してくれる。
ずっと乗り物に乗り、休みなくここまできたので、注文したアイスコーヒーはすぐに飲み干してしまった。
残念ながら、片桐さんはこの後用事がああるということで、一人で農園探しをした。
結論から言えば、時期じゃないのか、農園らしき場所はなかなか見当たらなかった。
片桐さんに言われた場所の近くに行ってみたが、それらしいものはなかった。
ある民家に近付いた時、犬が何匹か現れ、吠え出した。
これ以上近づいても危険であるし、逃げたところで数匹の犬に追われ噛まれるのが行き着く先だ。
しばらく犬と睨み合いが続いた。
犬は吠え続ける。
刺激しないようにジリジリと下がりながら間合いを取っていった。
もし噛まれたら、病院行きだ。
狂犬病になるかもしれない。ここまで犬に対して恐怖を持ったことはなかった。
もう終わりかと思った時、飼い主らしき人が吠え続ける犬の声を聞きつけ来てくれた。
犬を宥め、柵の中へと誘導する。
おばさんに事情を話すと、ここには農園はないとのことだった。
一体どこなんだ。
バイクタクシーに跨り、地図上にあった農園を訪ねるが、コーヒーの気は見当たらない。
午後5時。店は閉まり始めるし、夜行バスの時刻も迫る。
今回は農園巡りは諦め、次の機会にすることにした。
ノープランでここまできたが、さまざまな発見があった。
あたりは少しずつ暗くなってきていた。
バガンの朝日を見て、ピンウーリンの夕日を見る一日。
ミャンマーコーヒーをめぐる、長い一日だった。