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PROLOG
野生の動物に会いたい。
その場所に行かないと会えないような野生動物に間近で見てみたい。
そんな感情から旅の目的地を絞っていった。ケニアのサバンナに住むゾウやキリン、ライオン。インドのトラ、スリランカのゾウ。
調べる中で、ビビッと来たのはインドネシアのオランウータン。
森の人と訳されるオランウータン。人間に近い知能を持っているとされるボノボだが、ある研究ではオランウータンが人間に一番近いとされていることもある。日本の動物園でも見れないことはないが、自然の中で暮らすオランウータンはまた違った印象を与えてくれるだろう。
そこで目指したのが、カリマンタン島。
カリマンタンはインドネシア語で、英語ではカリマンタン島のことをボルネオ島という。
熱帯雨林気候に属し、多様な動植物が生息している。
この記事では、カリマンタン島までの行き方、費用について紹介していきたいと思う。
行き方
カリマンタン島はインドネシアの中でも大きい島だ。
地理的に見ても、北はマレーシアやブルネイ、南はインドネシアと3つの国が属している島である。
そのため、島のどこに向かうかで使う空港が異なる。
カリマンタン島にあるインドネシアの空港をグーグル・マップで検索すると上の空港が出てくる。ちなみに、マレーシアへはコタキナバル国際空港、ブルネイならばブルネイ国際空港といった空港を使う必要がある。
東京ージャカルタ
カリマンタン島への直行便はないため、いくつか空港を経由していくことになる。
経由する方法はいくつかあると思うので、比較サイトを利用すると良い。経由する回数や時間をかけて行けば、もちろん航空券の料金は抑えることができる。
僕の旅では、ジャカルタ経由でカリマンタン島へ向かった。ジャカルタはインドネシアの首都(2020年12月現在)であり、インドネシアの中では一番利便性のよい空港だ。
ジャカルターカリマンタン島(パンカランブン)
ジャカルタ、スカルノ・ハッタ国際空港に到着後、国内線に乗り換える。
主催するツアーによって向かう空港が変わるかもしれないが、オランウータンが保護されているタンジュンプティン国立公園 への窓口、クマイ港の近くのイスカンダル空港(パンカランブン)へ僕は向かった。
パンカランブンへの飛行機は便数がとても少なく、一日1〜2便程度だ。
そのため、この日は一泊ジャカルタ市内に泊まり、早朝、再度スカルノ・ハッタ国際空港へ行き飛行機に乗ることにした。
一旦、空港からジャカルタ市内へ
空港から市内中心部へはバスで行くことにした。
タクシーかバスで市内へ行くことができるようだが、バスの方が5分の1程度の料金でいける。
ちなみにジャカルタ市内へのエアポートシャトルがあるので、僕はエアポートシャトルに乗り込んだ。
市内のどこに向かうかでもバスが異なるので気をつける必要がある。
市内へは30分〜80分かかる。どうしてここまで時間に差があるかというと、ジャカルタ特有の交通事情がある。
ラッシュの時間と重なると大渋滞が度々起きる。
序盤はスムーズに進んでいたバスも、市内へ近づくに連れ進んでは止まり進んでは止まりを繰り返していた。
同じような光景が続くのでぐるぐるしているような感覚になる。長旅の疲れもあり徐々に苛立ちの感情を抱いた。
人口が一極集中するということはこういうことなのだと感じた。近々、首都をカリマンタン島へ移転するという計画もでているようだ。市内はいくつかの地区に別れており、ショッピングセンターのようなモダンな建物のあればボロ小屋のような家が並ぶ地区もある。
翌朝、日が開ける前にタクシーで空港に向かった。
前日、経験した渋滞のことを考え、余裕をもってホテルを出発した。早朝の3時か4時だったと思う。朝早くにタクシーは捕まらないと思ったので、前日ホテルの受付にタクシーを頼んでおいた。早朝のラッシュに捕まってしまうのかと思いきや、思いの外スムーズに進み、30分程度で空港に着いてしまった。チェックイン開始まで時間があったので、ダンキンドーナツで朝食をとることにした。早朝に食べるドーナッツとコーヒー。
最高の朝食だ。外の階段に座り、紙袋を開ける。
プレーンやチョコの定番ドーナッツに加え、ドリアンクリームのドーナッツも変わり種として買ってみた。
そもそもドリアンを食べるのは初めてだ。
ドーナッツならいけるだろと考えていたが、果物の王様は違った。
ドーナッツの中に腐った玉ねぎが入っているのではないかと思うくらい臭い刺激臭だった。
最高の目覚めとなった。その国の文化を感じるには食べ物からチャレンジするのが一番の近道だ。
朝食を終え、チェックインカウンターへ向かう。
スカルノ・ハッタ国際空港は、上述の通り大きな空港でインドネシアの多くの島に飛行機が飛んでいる。
飛行機の離発着が多い時間帯は航空会社ごとにずらっと長蛇の列を作っていた。
チェックインを済ませ、搭乗ゲート近くまで行くとすでに多くの利用者で混み合っていた。
席は一杯で床に座っている人たちもいた。さすが人口が3億人近くいる国の空の玄関口だと感じた。密度が高かった。
2020年現在、パンカランブンへ運行している主要航空会社にNAMエアーがある。
僕が行ったときはトリガナエアーという別のインドネシアの航空会社を利用した。
インドネシアのいくつかの航空会社はたびたび墜落事故を起こしていて、このトリガナエアーも以前墜落事故を起こしていたため、いつも以上に緊張感をもって搭乗した。
カリマンタン島(パンカランブン)ータンジュンプティン国立公園
飛行機の機内は地元のインドネシアの人々、そして欧米人がちらほら。
日本人は見る限り僕だけだった。
機内は思っていたほど悪くない。LCC特有の席の狭さは感じず、満席ではなかったため空いているシートを贅沢に使って横になる人もいた。
一時間ちょっとで目的地のパンカランブンに着く。
離陸してしばらくすると、軽食サービスが始まった。ないと思っていたことがあるとやはりうれしいものだ。
軽食が入った箱が配られ、中を開けてみる。丸いパン、クラッカー、チョコレート、水が入っていた。メインであろう丸いパン。何味なのだろうか。
ドリアンではないかという先入観から、かぶりつく前にパンを半分に割ってみることにした。中には緑色のものが入っていた。
近くの席の人はピンクっぽい色のもの。
ドリアンの臭いはしないことはすぐわかったが、見慣れない色に困惑した。
ちぎっって口の中に恐る恐る一切れ運んだ。まずくない。おそらくアンパンの仲間だろう。
パンはもちっと美味しくペロッと食べてしまった。見た目で判断してはいけない。胃袋でその土地の文化に触れろだ。
東南アジアの国々ではよくカラフルなスイーツが売っている。食べたことはないが一度試して見る価値はあるかもしれないと思った。
飛行機の窓を覗くと、青い海から濃い緑の熱帯雨林へと景色が変わっていた。
アナウンスが入る。
離発着の時が一番事故りやすい。緊張で体が強ばる。
あまり感じたことのない感覚だった。思ったより静かに着陸した。機長の運転がうまかった。
飛行機から地上に階段で降り、建物へ向かう。モワッとした暖かい空気が体をまとう。これがインドネシア、カリマンタン島だ。
イスカンダル空港は便数も多くなく、一つの滑走路とチェックインカウンターやお店などが入る建物がある小さな空港。空港からはチャーターしていたタクシーに乗って、タンジュンプテン国立公園への玄関口となっているクマイ港へ向かった。タクシーの窓から見える景色。のどかな農村といった感じがした。ずっと外を眺めていても飽きない。時々、箱型の煙突のような建物が目に入った。3階建てくらいの高さ。ドライバーにこの建物は何かと聞くと、「ツバメの巣を作っている。」と話をしてくれた。どうやら華人がここカリマンタン島で高級食材とされるツバメの巣を作っているということのようだ。中国人のビジネスは東南アジアの島々まで手が及んでいるということを実感した。
クマイ港に着くと、オランウータンの街ということを象徴するように大きなオランウータンの像が港に置かれていた。
この港にはタンジュンプテン国立公園への向かうボートが多く停泊している。その中の一つに乗り込み、オランウータンが住むジャングルの奥地へと出発する。
ここまでの主な支出
・航空券 東京−ジャカルタ(往復) 約8万円
(時期による、相場6万円〜10万円)
・航空券 ジャカルタ−パンカランブン(往復) 約1.5万円
・バス 空港−ジャカルタ市内 約300円
・タクシー ジャカルタ市内−空港 約2000円