日本から約8時間のフライトでゴールドコーストのクーランガッタ国際空港につく。
ゴールドコーストへは直行便があり、日本とは時差も1時間。
西欧諸国へ行くにも北中米に行くにも、10時間を超えるフライトがあることを考えると、オーストラリアという国へ日本から行きやすい地であることを感じる。
空港からバスやトラムを乗り継ぎ、サーファーズパラダイスにあるグレイハウンドバスの乗り場へ。
9時15分発ブリスベン経由ヌーサ行きのバスまで少し時間があったのでバスセンター内を散策。
同じようにバスを待つ家族。
机の上に爪楊枝を並べ不思議な遊びをするおじさん。
旅の出発点には様々な人が集まる。
ふと、エスプレッソのいい匂いに誘われ、
大きな焙煎機に併設する形でカフェを見つけた。
Paradox Coffee Rosterというカフェだ。
Table of Contents
広々としていておしゃれな店内。
朝8時ごろというのに、朝食をとる人、カフェで仕事をする人で賑わいをみせていた。
席を取ると、金髪の店員さんがメニューを持ってきてくれた。
カウンターで注文してから席につくのではなく、席で注文し後払いをするようだ。
僕はフラットホワイトをしたり顔で注文した。
オーストラリアといったらフラットホワイトというイメージを勝手に持っていた。
○オーストラリアのコーヒーメニュー
フラットホワイトはオーストラリアやニュージーランドで代表的なエスプレッソベースのコーヒーだ。イメージとしてはカフェラテ。
カフェラテとどこが違うかと言うと、カフェラテのミルクよりもさらに細かな泡になるようにスチームされ、口当たりがよく飲みやすいのが特徴だ。
他にも、オセアニア独自のものとして、ロングブラック、ショートプラック,ピッコロ,
アイスコーヒー、、マキアート、ホットチョコレートがある。
ロングブラック(Long black)・・・
日本で言うブラックコーヒー。アメリカンコーヒーに近い。特徴はダブルのエスプレッソをお湯で割るというところ。通常はホットで、氷を入れて、冷たくしたものはアイス。
ショートブラック(Short black)・・・
日本で言うエスプレッソ。
アイスコーヒー(Ice coffee)・・・
エスプレッソに冷たいミルクとアイスクリームをのせたもの。日本のアイスコーヒーとは違い、甘い。フロートのような感じ。
マキアート(Macchiate)・・・
日本のキャラメルマキアートではなく、エスプレッソにフォームドミルクを少し入れたもの。エスプレッソにミルクを入れる感覚。
ホットチョコレート(Hot chocolate)・・・
チョコレートソースにスチームミルクを入れたもので、いわゆるココア。
ピッコロ(Piccolo)・・・
イタリア語で「小さい」とい意味があり、小さなサイズのカフェラテ。
○オーストラリアにスタバはない!?
カフェラテといった飲み物が日本で流行るきっかけはスターバックスが日本に上陸したことが大きい。
それまでの日本のコーヒー文化は今で言う純喫茶であり、マスターがブレンドしたコーヒーを、一杯一杯ドリップして提供されるスタイルが主流だった。
では、オーストラリアではどうかといえば、コーヒーのメニュー見てわかるように、オーストラリアのコーヒーはエスプレッソベースの飲み物が多い。
そもそも、オーストラリアは17世紀にイギリスの領土であった。
その際にヨーロッパからの移民も多く、イタリア系移民の影響もあり、エスプレッソを飲む文化が広まったようだ。
アメリカで言えば、シアトル系のスタバのようなコーヒースタイルが主流だ。
しかし、驚くことにオーストラリアではスターバックスがほとんど見当たらない。
日本では空港や駅にいけば大抵はあるのだが。
調べてみると、オーストラリア全体で51店舗(2020年1月)だけのようだ。
地図を見て分かるように、ブリスベンやゴールドコースト、シドニー、メルボルンといった東海岸の主要都市周辺に偏っているのが分かる。
日本のスターバックスの数は1497店舗(2020年1月)なので、その違いは一目瞭然。
それは、どうしてなのか。
そこには、オーストラリアの古くからのカフェ文化が根強くあるからだ。
実際、2000年シドニーにオーストラリアの1号店がシドニーにオープンし、多いときで約90店舗まで展開したが、地元のカフェに勝てず、店舗数を減らしている。
近年は観光客向けに店舗数を少しずつ増やしているようだが、オーストラリア人を満足させるようなレシピを作れていないようだ。
・独自のコーヒー文化
もともとはイギリスの植民地だったので、紅茶の文化が強いと思いきや、上述の通り、イタリア系移民などヨーロッパからの移民も多く、エスプレッソを中心としたコーヒー文化が定着している。
どの都市に行っても、様々なカフェや焙煎所を目にする。特にメルボルンは町並みもロンドンのような雰囲気があり、ヨーロッパのコーヒー文化が根付いていて、Market Lane CoffeeやSt.Aliなどをはじめ多くのカフェがある。
早朝からオープンしているカフェもあり、仕事前に立ち寄ったり、休日は犬の散歩ついでに寄ったりする人を多く見かける。
また、オーストラリアではバリスタが人気な職業とされ、世界的に有名なバリスタを排出していたりしている。
ラテアートを学ぶ専門学校もある。ワーホリ中にコーヒーにハマり、バリスタの修行をしたという話も聞く。
近年、日本ではスペシャリティコーヒーがブームになっており、シングルオリジンを浅煎りでドリップして飲む、いわゆるサードウェーブ系のカフェが多くなってきている。
一方で、オーストラリアは深煎りのエスプレッソをミルクと割って飲むスタイルは未だに根強くあるように思う。
しかし、スペシャリティコーヒーの文化がないわけではなく、むしろ日本より先に産地や焙煎方法、淹れ方などにこだわったコーヒー文化も根付いてきている。
2018年度の東京コーヒーフェスティバルに参加した際にメルボルンのカフェが多く出店していて、ドリッパーを用いて、コーヒーを一杯一杯淹れていた。
飲みごたえとしては、フルシティといった中深煎りの印象だったが、どの店も豆にこだわっているようだった。
オーストラリアのコーヒーシーンからも目が離せない。