行き方
山手線御徒町駅から秋葉原駅方面に向かって歩くこと5分。
宮造りの建物が見えてくる。国有形文化財に指定されている燕湯だ。
青い玄関屋根に燕湯と書かれた白い暖簾がとても映える。
暖簾をくぐると、男湯と女湯に分かれて靴箱が設置されている。
靴を脱ぎ、自動ドアを開ける。自動ドアが開くまでは人の姿が見えず、また館内がどうなっているのか全くわからない。
館内
しかし、自動ドアが開くと、タイムスリップしたような別世界が現れる。
高い格子状の天井。
大きな秤のような体重計、冷蔵庫に入った瓶のコーラ、少しくすんだ大きな鏡、置いてあるものすべてに味がある。
レトロな匂いが漂う、そんな空間の脱衣所。
また、男湯と女湯の脱衣所を隔てるように番台がある。
番台のおばさんは裸の男達を相手にしても平然としている。慣れというものはすごい。
私が伺ったのは日曜の朝。燕湯は東京で数少ない朝湯をやっている銭湯だ。
日曜の朝ということもあったのか、館内は朝風呂を入りに来た人達で賑わっていた。
常連客とみられるおじさん、スーツケースをもつスーツ姿の会社員や関西弁を話す若者。
近所の人の他に夜行バスで東京に仕事や遊びで来た人たちもいるのだろう。
お風呂
お風呂に入って、まず目に入るのは富士山の溶岩を使用した岩風呂だ。
日曜は薬湯をやっており、富士のペンキ絵と溶岩、緑色の薬湯で極楽浄土のような情景に映った。
銭湯絵師、中島盛夫氏によるペンキ絵も見ものである。男湯女湯をまたがって描かられた大きな富士山は見事だ。
脱衣所にも中島氏のペンキ絵が飾られている。
お風呂はシンプルに正面にあるのみ。割と小さめで5〜6人が入ればいっぱいになってしまう大きさ。
そして、燕湯のお風呂の特徴はなんといっても湯温が尋常ではなく高めなことだ。深いところと浅いところがあり、私が伺った時は深いところで45〜46℃くらいであった。体が慣れるまでは熱湯のように感じ、長湯はできない。浅いところは42℃前後で浸かるのにちょうどよい温度であった。
ゆっくり浸かるというよりはさっと入ってさっと上がる感じの江戸っ子銭湯だ。
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場所 東京都台東区上野3-14-5
電話 03−3831−7305
時間 朝6時から夜8時
定休日:月曜日