IS系の過激派組織絡みのアメリカ映画をよく見るけれど、実際はどうなのといつも思っていた。
だから、この映画の予告を映画館のスクリーンでみたとき、衝撃的だった。
スクリーンに処刑や爆破テロのシーンが何度も映され、仲間や家族が死んでいった。
これが真実なのだ。フィクションではない。
シリア内戦でラッカはISに制圧された。
繰り返される爆撃。退廃していく街。そこに生きる人々にとって死は生活の一部になっていた。
あらゆる種類のプロパガンダによって勢力を拡大し、人々は従わなければ殺される。自由はない。
そんな現実の状況を世界に発信しようと立ち上がったのが市民ジャーナリスト集団「RBSS(Raqqa is Being Slaughtered Silently)」だ。
彼らはスマホを武器にラッカの悲惨な状況を国際社会に発信し続けた。ISの魔の手を逃れながら活動を続けている。
一番苦悩している人は、普通に生きたいと思っているシリアの人たちだ。
ISに従わなければ殺される。従えば自由はない。国外に助けを求めようとしても、「お前たちが来るとテロが起きる」と排外主義に合う。故郷のシリアはもうそこにはない。
逃げ場がないシリアの人々の心の叫びを、この映画を観て私は受け取った。
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